「残遺」は聞き慣れない言葉かもしれませんが、
うつ病の治療をしていくうえで大切なポイントです。
うつ病の残遺症状は個々の患者さんによって異なり、残遺症状に伴う生活・仕事での困りごとも異なります。残遺症状の影響で社会機能注1)が落ちることもあり2)、生活の質(QOL)が下がることも報告されています4)。
よくみられる残遺症状を以下に示します1-5)。
など
うつ病の残遺症状の中でも、認知機能の低下は重要です。主観的な認知機能障害が、抑うつ気分と同様に労働生産性の低下、すなわちプレゼンティーイズム(presenteeism)注2)を引き起こしかねないことが示唆されています6)。つまり、残遺症状は仕事などをするうえでも大きな問題になります。
下の動画もご参照ください。
注1)社会機能:個人と環境の相互関係(例:仕事、社会活動、パートナーや家族とのかかわり)の中で、個人が役割を果たす能力とされています7,8)。
注2)プレゼンティーイズム:「健康に問題を抱えながら出勤(仕事)をしている状態」で、「仕事のパフォーマンスが下がる状態(労働生産性の低下)」を含めることもあります9)。
【出典】
うつのこと-うつ病の残遺症状について