ここでは、うつ病治療のポイントについてまとめています。
うつ病の治療について、
簡単にまとめた動画をご用意しました。
もし「文字を読むことがつらい」、
「情報量が多すぎる」と感じた場合は、
動画だけでもご覧になってみてください。
うつ病の治療は、大きく分けて「休養」、「薬物療法」、「精神療法」があります1)。
うつ病の薬物療法では、主に抗うつ薬が用いられます。
うつ病患者さんの脳内では、脳細胞どうしの連絡を担っているモノアミンという物質の働きが弱まっていると考えられています。そのため、脳細胞の活動性のバランスが崩れてしまいます。
薬物療法で用いる抗うつ薬には、モノアミンの働きを強くする作用があります。うつ病に関連するモノアミンには、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンがあります。なかでも、セロトニンは不安や緊張、衝動性に、ノルアドレナリンは興味や意欲に関係することが知られています3)。
また、症状が軽い患者さんにはお薬が処方されないこともあります。
主な抗うつ薬3)
カテゴリー | 作用 |
---|---|
SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬) |
セロトニンの働きを強くします。 |
SNRI (セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) |
セロトニンとノルアドレナリンの働きを強くします。 |
NaSSA (ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬) |
SSRI、SNRIとは異なった作用により、セロトニンとノルアドレナリンの働きを強くします。 |
三環系抗うつ薬 | セロトニンとノルアドレナリンの働きを強くします。 |
四環系抗うつ薬 | |
S-RIM (セロトニン再取り込み阻害/セロトニン受容体調節薬) |
セロトニンの働きを強めたり、調節したりします。 |
その他 (セロトニン遮断・再取り込み阻害薬/抗ドパミン薬) |
セロトニンの働きを強めたり、 セロトニン/ドパミンの働きを調節したりします。 |
伊豆津宏二ほか 編集:今日の治療薬(2025年版). 南江堂, 東京, 2025より改変・作表
効果を感じない、副作用があらわれた、症状が治まったなどの理由で、自分の判断で抗うつ薬の服用を中止したり、量を減らしたりしないでください。症状の悪化や、再発の可能性があります。医師から決められた服用量と服用期間を守ることが大切です。抗うつ薬に関して疑問があれば、医師に相談してください。
多くの抗うつ薬は、効果があらわれるまでに2~3週間かかります。また、抗うつ薬を飲み始めた当初は、効果よりも副作用のほうが先にあらわれる場合もあります。副作用のあらわれ方は人によって異なります。服用する抗うつ薬の副作用については、服用を開始する前に医師から聞いておきましょう。自分が服用する抗うつ薬の副作用について知っておくことは、副作用への適切な対処につながります。
【出典】
うつ病治療について