うつを支えるための10のこと

うつ病患者さんを支えるために押さえておきたい10のポイントを紹介します。

1無理に遊びに誘わない

無理に遊びに誘わない

休養は、初期のうつ病治療において大変重要な役割を担っています。患者さんは心身のエネルギーが枯渇している状態のため、遊びの誘いも苦痛に感じることがあると理解しましょう。

2安心して休める環境を整える

安心して休める環境を整える

「休養に専念する」ことが、患者さんにとって重要な場合もあります。休養を勧め、患者さんを不安にさせない配慮が大切です。

3いきなり元の生活/仕事に戻さない

いきなり元の生活/仕事に戻さない

患者さんが元の日常生活に戻そうと頑張りすぎると、再発することがよくあります。患者さんを支える方は、患者さんにリハビリの時期を設け、段階的な復帰を促しましょう。

4不満はぶつけず理解を深める

不満はぶつけず理解を深める

患者さんの言動が不快に感じることもあるでしょう。しかし、患者さんを支える方は、それは病気によるものと理解し、不満を患者さんにぶつけないようにしましょう。

5誰のせいにもしない

誰のせいにもしない

患者さんが自分自身や周囲の人を責めてしまっているときは、「うつ病は、誰のせいでもなく、誰でもなり得る」というフォローをすることも大切です。

6安易に励まさない

安易に励まさない

うつ病の治療には時間がかかります。患者さんのペースで治療を継続できるように、「がんばれ」や「早く元気になって」などの安易な励ましはやめましょう。

7特別なふるまいをしない

特別なふるまいをしない

明るく盛り立てるなどのふるまいは、患者さんだけでなく、患者さんを支える方の両者のストレスになりかねません。できるだけうつ病を発症する前と同じふるまいを心がけましょう。

8あせらない・あせらせない

あせらない・あせらせない

早期の復帰を望むがゆえに、あせりがでてしまうのは、患者さんも、患者さんを支える方も同じです。互いにあせらず、患者さんのペースで治療に向き合ってもらうことが、回復への近道です。

9アサーティブになる

アサーティブになる

コミュニケーションをスムーズにするため、自他それぞれの主張(考え)を尊重し認め合うバランスのとれた姿勢(アサーティブな姿勢・関係)でかかわりましょう。

101人で支えない

1人で支えない

職場ではチームで対応する、家庭ではカウンセラーやソーシャルワーカーを頼るなど、患者さんを複数で支えることで、患者さんを支える方の負担を分散させましょう。

  • 野村総一郎 監修:入門 うつ病のことがよくわかる本, 講談社, 2018
  • 山本晴義 監修:図解やさしくわかる うつ病からの職場復帰, ナツメ社, 2015
  • 有馬秀晃 監修:うつ病の人に言っていいこと・いけないこと, 講談社, 2014