うつの症状

お悩みの症状を整理してみましょう。
このページでは「こころの症状」、「からだの症状」、「認知の症状」の3つに分けてご説明しています。

うつ病の症状にはどのようなものがあるの?
うつ病によるこころの症状として、以下のような症状があげられます1、2、3)
こころの症状
抑うつ症状
憂うつ、気分が重い、
気分が沈む、悲しい など
抑うつ症状
興味または
喜びの喪失
興味がない、喜びを感じない、
好きなことに関心がなくなる など
興味または喜びの喪失
不安・焦燥・制止
不安である、静かに座っていられない、
イライラする、会話が遅くなる、
無口になる など
不安・焦燥・制止
無価値観や
罪業感
自分には価値がないと思う、
悪いことをしたように感じて自分を責める、物事を悪い方へ考える など
無価値観や罪業感
死について
考える
自殺について考える、
自殺を計画する など
うつ病にみられるからだの症状は?
うつ病では、こころの症状に加えて以下のようなからだの症状がみられることがあります1、2、3)
からだの症状
食欲・体重の変化
食欲が減る、または増える、
それに伴って体重が減る、または増える
など
食欲・体重の変化
睡眠障害
眠れない、寝すぎる など
睡眠障害
倦怠感・気力の低下・
易疲労感
(いひろうかん)
疲れやすい、体がだるい、やる気がでない
家のことが出来ない
朝からぼーっとしていて気力がわかない
やらなければいけないことがあるが行動に移せない
友人とのコミュニケーションをとる元気がわかない
運動を行う気力がわかない
仕事を完遂しても達成感が得られない など
倦怠感・気力の低下・易疲労感(いひろうかん)
その他
体がうずく、頭痛、めまい、耳鳴り、口が乾く、肩こり、動悸がする、息苦しい、胃の不快感、便秘がち、性欲がない、体が痛い など
うつ病に見られる認知の症状は?
うつ病では、こころ、からだの症状に加えて以下のような認知の症状がみられることがあります。
認知の症状
集中力の
低下
会議や人の話に集中できない
テレビや本の内容が入ってこない
仕事の指示が頭に入らない
家族との会話が続かない
話し方がゆっくりになった
簡単な足し算などができない
料理を作るのに時間がかかる・手際が悪くなった
集中力の低下
記憶力の
低下
日にちや日付を確認しないと
分からないことがたびたびある
電話を切ったあと、何を話していたのかを
思い出せない
物忘れが多くなる
頭の中が真っ白になる
記憶力の低下
注意力の
低下
うっかりミスが増える
手順を飛ばしてしまう
注意力の低下

【出典】

  • 1)厚生労働省ホームページ「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス うつ病」https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_depressive.html
  • 2)落合慈之 監修:精神神経疾患ビジュアルブック, 学研メディカル秀潤社, 東京, 2015
  • 3)高橋三郎ほか 監訳:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル, 医学書院, 東京, 2014

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うつ症状チェックシート

うつ病は、はっきりした自覚症状がないため、自分で気付くことが難しい病気です。
簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)1)、2)でうつ症状をチェックしてみましょう。
睡眠、食欲/体重、精神運動状態に関する項目について、設問に答えていくことで簡易的にうつ度がチェックできます。

注意:セルフチェックの結果のみで正確に診断することはできません。
結果の如何にかかわらず不安がある場合には、専門の医師に相談してください。

チェック開始

簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)とは2)

簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS-J)は、16項目の自己記入式の評価尺度で、うつ病の重症度を評価できるほか、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-IVの大うつ病性障害(中核的なうつ病)の診断基準に対応しているという特長を持っています。
世界的に知られた精神科医John Rush先生によって開発され、世界10カ国以上で使用されています。

採点の方法2)

睡眠に関する項目(第1~4項目)、食欲/体重に関する項目(第6~9項目)、精神運動状態に関する2項目(第15、16項目)は、それぞれの項目で最も点数が高いものを1つだけ選んで点数化します。
それ以外の項目(第5、10、11、12、13、14項目)は、それぞれの点数を書き出します。
うつ病の重症度は、睡眠、食欲/体重、精神運動、その他6項目を合わせて9項目の合計点数(0点から27点)で評価します。
原版QIDSでは、点数と重症度は下記のようになっています。

0点~5点
正常
6点~10点
軽度
11点~15点
中等度
16点~20点
重度
21点~27点
きわめて重度

QIDS-Jの使い方2)

各項目が大うつ病性障害の症状に対応しているので、うつ症状の評価やスクリーニングに使えるほか、合計点を算出することでうつ状態の変化を見ることができます。
6点以上の場合にはうつ病の可能性がありますので、まず医療機関に相談してください。

  • 1)藤澤大介ほか:ストレス科学 25(1):43-52, 2010
  • 2)厚生労働省ホームページ「心の健康-認知行動療法-(QIDS-J解説)」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kokoro/index.html